2011 FUNKY IN 北海道 Part.28  初日 2日目 3日目 4日目 5日目 最終日

















朝から路面はウエット



 北海道三日目の朝、いつものように6時前に目覚めた私は温泉(内湯)に行ってみる。温泉には先客が居て一人でゆっくり温泉を楽しんでいた。

 その方は昨晩の夕食の時、我々の隣のテーブルにいたご夫婦の旦那さん(60歳代半ば?)で、私は軽く会釈してからお風呂の中に足を入れる。

 旦那さんも私の事を覚えていたようで、私が話しかけると直ぐに打解けて会話を交わす事だ出来た。

 旦那さんは関東から来た方のようで、これまで何回も自分の車で北海道を訪れていたのだが、今回は年齢的な事も有り飛行機で来てレンタカーを借りて北海道を回っているのだと言う。

 昨晩の夕食時に見た感じでは、泊り客の殆どが男女の二人連れだったと記憶するが、年齢層は高く40〜60歳代のご夫婦が多いようにお見受けした。私も年齢的にはその範疇に入るのだが、上さんと二人で北海道を旅する日が来るのだろうか?  温泉に二人で出掛ける事は結構有るのだが、宿の趣味が私と少し違うので北海道の温泉は無いのかな・・・?


後ろの左に見えるのが野中温泉別館
右に目る建物が野中温泉ユースホステル

 温泉から上がった後、露天風呂の写真を撮ったり宿の外を散策してみたりしたのだが、周りの原生林の深い森は霧に包まれ幻想的な雰囲気になっていました。

 雨は降っていなかったが、水の小さな粒子が空気中を浮遊している感じで、しっとりとした空気に包まれながら私は静かにゆっくりと流れる時間を暫し楽しんだのでした。

 部屋に戻って私は出発の準備に取り掛かる。昨日濡れてしまったジャケットはまだ少し湿っていたが、中はそれを感じる事はなく安心する。ヘルメットのシールドを外し洗剤で綺麗に洗浄した後、外に撥水剤、中に曇り止めを縫って雨対策を施す。

 雨は降って欲しくは無いが、天気情報によれば今日北海道の上を寒冷前線が通過する模様で雨は避けられない状況に有り、雨対策には万全を期す。


京 福 の朝食

 朝食は7時半からで我々は時間になって食堂に向かう。京福の朝食はこの手の宿の定番の和食で、過不足無く美味しくいただきました。

これからチェーンオイルを吹きます。








 朝食を食べた後バイクのチェーンにオイルを吹きに外に出たのだが、水滴が空からポツポツと落ち始めていた。昨日何回も雨の中を走ったバイクのドライブチェーンは、オイル分が洗い流され少し錆が出ている個所も見受けられた。

 雨の中を走行した後のオイル注油は必須で吹かないとチェーンの寿命を縮める事になりますので、ツーリングには是非チェーンオイルを携帯して毎日注油する事をお勧めします。



 am8:20過ぎ、私は今朝お風呂で一緒になった旦那さんご夫婦の記念写真のシャッターを押した後、雌阿寒温泉を出発して先ずはオンネトーに向かう。オンネトーまでは宿から10分も掛らない距離で直ぐに到着したのだが、予想通りと言うか当然と言うかオンネトーの湖も雌阿寒岳の噴煙も霧で全く見えなかった。


正面に雌阿寒岳な見える筈なのだが、真っ白でした。
以前私がここを訪れた時は、木製のスロープは無かった。














 それでも阿寒では有名な観光地と有って我々と同じ思いでやって来た観光客が結構いて、ホワイトバッグの写真を撮影しては残念そうに立ち去っていた。

 我々も写真を数枚撮って立ち去ったのだが、ちょうど我々の前に観光バスが入ってしまい雌阿寒温泉まで排気ガスを浴びせられてしまった。オンネトーに向かう道は雌阿寒温泉を過ぎると狭くなってカーブも多く、無理は出来ませんのでお気を付け下さい。

 我々は国道241号に出る前にバスを追い越して排ガスから解放されたのだが、観光地近くを走ると大型バスの後ろを走る機会も多くなりこんな事も起きる。我々が有名観光を走る事はそんなに多くはないが、昨日(襟裳岬)今日(オンネトー)と珍しく有名観光地を巡ってしまいました。


ハーフウエット

 国道241号が国道240号に出て左折した我々は、津別方面に向かう。私がこの左折地点から本岐までの国道240号を走るのは今回が初めてで、どんな道なのか楽しみにしていたのだが、交通量もそこそこ有って道幅もそれ程広くなく普通に走る道だった。

 釧北峠を過ぎて道が標高を下げ、網走川沿いの深い森の中を走るようになると雨が小降りになってくる。道の駅 あいおい を過ぎると路面もハーフウェット状態になり走り易くなる。本岐から道道51号に入って陸別へ向かう様になるとそこそこ走れるような道路状況になってきて、私はペースを少し上げて陸別から先スペシャルステージに備える。

 陸別から国道242号に入って置戸を目指した我々は走り慣れた道を快調に走る筈だったのだが、路面が濡れていてスロットルを開けるのが躊躇われる事になる。雨は降っていなかったのだが、雨が上がって時間が経っていないようで路面がまだ光っており、ブレーキもスロットルも慎重を要する状態だった。

 その中途半端な状態が暫く続いたのだが、置戸にもう少しの所まで来た時一気に路面が乾いた。心置きなく走れる状態になった私は、そこで初めてスロットルを当てた走りをしたのたが、直ぐに置戸の街が見て来て楽しい時間は一瞬で終了となる。



置戸のSeicomartに到着




神主さんも秋田ナンバーに反応。


 一瞬ではあったが走りを楽しめた私は、アドレナリンがチョピッと出た状態で置戸に在るいつものSeicomartにバイクを停めたのだが、これから先は路面を気にしないで走れると内心喜んでいた。


お囃子を奏でながら走るお囃子カー


神様?も車で移動。













 我々が休憩していると遠くからお囃子の音が聞こえて来て、神様や神主さんが乗った車が続々とSeicomartに入って来た。神様はここでご休憩の様で、飲み物や食べ物買い込んでおりました。神主さんが秋田ナンバーに反応して(置戸と秋田の関係は7月のプチ北海道をご覧下さい)我々に話しかけて来る。

 「秋田から来たの?」
 「はい。」
 「お祭りですか? 車で回るんですね。」
 「車でないと回り切れないだよ。」

 話を聞くと置戸町の全ての地区(20数カ所?有るらしい)を回るそうで、車でないと1日で回り切れないのだと言う。確かに置戸町は山車を引きながら回っていたら何日掛るか分からない広さな訳で、お祭りもその土地土地の形が有る事を知りました。

 休憩を終えた我々は、置戸を発って鹿ノ子から芽登に向かって走り出す。空は曇っていたが路面は乾いており私の予定では芽登まで走りを楽しめる筈だった。しかし、鹿ノ子温泉を過ぎ道が上りに差し掛かると路面が濡れてきて雨が降ってきた。


フルウエット


芽登温泉手前のパーキングで雨具を着る。


 置戸で休憩している時、携帯で雨雲が近づいて来ている事は知っていたのだが、芽登までは何とか濡れないで行けるのではないかと私は希望的観測を持っていた。

 雨は次第に強くはなってきたが、例の峠のパーキングに止まった時も雨具を着る事無く芽登に向かって走り出す。実はこの時、我々には芽登に向かわず鹿ノ子温泉まで引き返し、峠を越えて国道39号に出て石北峠を越えるという選択肢も有ったのだが、私は芽登に出れば道路は乾くとまだ思っていた。

 結果論だが、引き返していれば大雪ダム辺りまでは乾いた路面を走れた可能性も有ったのだが、雨を読むのは難しいです。

 結局、雨が本降りになってきてしまって、私は芽登温泉手前のパーキングにバイクを止め雨具を着る事になってしまったのだが、雨はこれ以降 芽登 上士幌 糠平 三国峠 まで降り続けるのであった。

 我々は上士幌のGSで給油した後、国道273号を北上し三国峠に向かう。糠平から三国峠の間は楽しい高速ステージの筈だったのだが、雨は降り続いており単なるリエゾン区間になってしまった。こんな時、昨年までだった幌加温泉に入ってゆっくりしたところなのだが、それも叶わず我々は雨の中をひたすら走る。

 いつもならアッという間に到着してしまう三国峠は遠かった。ローカルな例えだが、出羽グリーンロードを軽トラックで走った様な感じと言ったら分かる人は分かると思うが、三国峠は遠かった。私は峠の少し手前に在る三股山荘で休憩とランチを取る事を考え山荘の駐車スペースにバイクを止めたのが、10Rが休まずに先に行こうと言う。

 彼は携帯で雨雲の動きを見ていて三国トンネルの向こう側が乾いている可能性が有る事を知っていたようで、ここで時間を取ってしまうと雨雲が路面を濡らしてしまう事を心配したようだ。私は彼の意見に促され三国峠に向かう事にしたのだが、お店の中から出て来て我々にバイクのサイドスタンド用プレートを勧めてくれた女性には悪い事をしてしまった。

 外にバイクを停めで休むかどうか話し合っている我々の姿を見て、お店の若い女性スタッフ(女主人では無かった)さんは、駐車場の下が土でサイドスタンドが潜ってしまうのを心配して我々が悩んでいると勘違いしたようでした。

 私の中にはそんな気遣いのある三股山荘で昼食を食べたい気持ちが有ったのだが、我々がより食べたいのはランチよりドライ路面な訳で、我々は三国峠に向かうのでありました。ところがである、三国峠に到着してみると、峠周辺は霧に包まれ松見大橋も何もかもが真っ白な霧に隠されていた。

 我々は峠のパーキングにも止まらず、そのまま三国トンネルの中に入って行く。遠く小さなトンネルの出口は心なしか明るく見えたのだが、先ほどの状況から私は路面は濡れているだろうと私はドライ路面を期待していなかった。

 しかし、どうでしょう。トンネルを出ると、霧も無く雨も降っておらず、路面はハーフウエットの状態だった。



奇跡のドライ

 トンネルを出て少し下って行くと左に緩くカーブした橋を渡るのだが、その橋を過ぎると路面は完全に乾いており、楽しく走れる状況にあった。


いつもの大雪ダム近くの国道管理事務所前駐車場。

 私はそこから大雪ダム手前に在る道路管理事務所まで、今日初めてのスロットルワイドオープンの走りを楽しんだのだが、途中で道路工事で片側交互通行になっていたり、毎年の事だが大雪高原温泉に向かう道路がマイカー規制されていて入口に人が立っていたりして、その時間は限定的であった。

 しかし、走り終えて国道管理事務所前にバイクを止めた時、雨が再びポツポツ降り出しその雨は網走の宿に到着するまで止む事は無かったから、三国トンネルから大雪ダムまでのドライ路面は、奇跡的ともいえる貴重なものとなったのである。

  休憩を終えた我々は大雪ダムを渡り国道39号に出て左折上川へと向かったのだが、長い長い銀河トンネルを抜けて層雲峡まで来ると雨は本格的なものとなり、雨粒が路面で弾け散る様子がハッキリ分かるようになってきた。



季節の変わり目

 我々のこれからの予定は、上川から国道272号に入って北見峠を楽しむ事にしていたのだが、この雨では楽しむどころか大変な走行になる事は明らかで、私は上川から無料高速道に上がって丸瀬布まで走り、そこでランチする事にした。

 上川から高速道に上がった我々は丸瀬布を目指したのだが、それからが大変だった。高速道は北見峠(高速道はトンネルだが)に向かって徐々に標高が上がていくのだが、峠が近づくと連れ雨が強くなり気温も下がってきた。

 最初は17℃位だった温度表示が15℃となり、ついには13℃まで下がってしまった。この気温、雨具を着ていたから何とか我慢出来たものの、昨日までの気温(25℃以上)を考えると有り得ない気温だった。1日で昼間の気温が大きく下がる事は秋田でも有る事なのだが、10度以上下がる事は滅多に無く私の体はその気温差に慣れずに走りながら小刻みに震えておりました。

 北見峠の下を貫くトンネルに入ると中は暖かくて助かったのだが、シールドが曇って前が見えなくなってしまった。この場合、曇りはシールドの外側に着くので私は指でシールドを吹いて曇を取ったのだが、長い長いトンネルを抜けると今度はシールドの内側が曇ってしまった。

 私はシールドを少し開け曇りを取ったのだが、寒く雨の降る中の走行は何かと大変である。秋田でもこのような寒い状況は有るのだが、それは10月上旬から中旬の事で北海道では秋田より2〜3週間近く季節が先を行っているようである。



昨年も休憩した 道の駅」 丸瀬布 に到着。


 白滝を過ぎ標高が下がると次第に雨は小降りになり気温も上がってくる。pm1:40過ぎ 丸瀬布の道の駅にバイクを止めた我々は、ここで今日もまた遅いランチを取る事にした。

 私はお腹も空いていたので量が多いと評判(FUNKY内での話)のカツカレーにしたのだが、他の二人は暖かいうどんやそばを注文していた。体が冷えている時は暖かい汁物を食べたくなるもので、私も他の二人を見て温かいそばかうどんにすれば良かったと思ったのだが、結果的にはカツカレーも私の体を十二分に温めてくれるのでした。


カツカレー 900円
量も充分有って、お腹が空いている時はお勧めです。

 時間が掛って出て来たカツカレーは、カツが揚げ立てで衣もサクサクしていて大変美味しかった。

 しかし、熱さを確かめずカツに口を着けてしまった猫舌の私は、上顎が火傷してぺロリと皮が剥がれてしまった。

 ルーもご飯も体を温めるには十分な熱量を持つカツカレーだったが、カツで火傷するとは不覚でした。私は今回カツカレーでも火傷する事を学びましたね。


奇跡の ファッションセンター しまむら

 これからの我々の予定は、ここ丸瀬布から遠軽に行きそこからサロマ湖の芭露に出て常呂と走った後、能取湖のサンゴ草を観て今宵の宿 網走の アニマの里 に向かうだけなのだが、途中で一つのミッションを行う必要が有った。

 それは昨晩10Rが宿に到着し、レザースーツを脱いで部屋着に着替えようとした時だった。持って来た筈のジャージのハーフパンツが荷物の中に入っていない事に気付たのだが、部屋着として下に穿ける衣類はそれしか持って来ていなかった為、10Rは焦ってしまった。

 しかし、幸いにも昨晩の宿 景福 には浴衣が用意されていて下着で過ごす事は免れてのだが、今晩の宿 アニマの里 では浴衣は付かず、何としても宿に着くまでに部屋着をゲットする必要が有ったのである。

 この手の衣類をリーズナブルに購入出来るお店として、我々が一番に思い浮かべたお店が日本全国に店舗を展開する庶民の味方 ファッションセンター しまむら で、私は北海道各地の大きな町で結構見掛ける ファッションセンター しまむら を探す事にする。

 ここから網走までの道すがら、ファッションセンター しまむら が有りそうな大きな町はは遠軽ぐらいと思われ、私は先ず遠軽の街で ファッションセンター しまむら を探す事にした。国道333号から国道242号に左折して遠軽の街へと向かったのだが、私の記憶では遠軽の街外れにショッピングモールが在った筈で、そこに ファッションセンター しまむら は有るだろうと読んでいた。

 しかし、行ってみるとそこは飲食関係が集まったモールのようで ファッションセンター しまむら は無く衣料品を売っているお店も見付からなかった。我々はそのまま遠軽の街中に向いスポーツ系のお店を見付け中を覗いてみたのだが、そこに10Rが目指す物は無さそうだった。

 私は遠軽での調達を諦め、網走で探す事に切り換え芭露に向かう事にしたのだが、私の勘違いで芭露に向かう道を一本間違えてしまった。我々は道を間違えたまま街の中心部を通り過ぎ湧別寄りの街外れに出てしまったのだが、そこで我々の目に飛び込んできたのが ショピングセンター しまむら の看板だった。

 これは正しく unbelievable  怪我の功名 でありました。道を間違わなければ今頃我々は芭露に向かう道を走っていた訳で、ファッションセンター しまむら の看板を発見する事は無かったのであります。

 時々勘違いで道を間違え、メンバーさん達にはUターンで大変ご迷惑をお掛けする私だが、今回の勘違いは自分自身を褒めてやりたい位タイミングの良い勘違いでした。我々は ファッションセンター しまむら のパーキングにバイクを止め、10Rが しまむら の店内へと走る

 数分後、目的の物をお安く手に入れた10Rがニコニコしながら店内からを出て来て、これで今宵の宿を自由に闊歩出来る事になった10Rと共に芭露に向かう。我々は国道242号を遠軽の中心部に引き返し、今度は間違えず道道244号に入って芭路に向かったのでありました。

 今考えてみると携帯のインターネットで ファッションセンター しまむら の在る町と場所を事前にチェックしておけば、怪我の功名 に助けをかりる事はなかったのだが、その時は何故かインターネットの事は頭に浮かびませんでしたね。

 

土砂降りのサロマ湖 Again


 遠軽から芭路に出てサロマ湖畔の国道236号を走る様になると雨が強くなって来た。それは2003年9月の再現で、私は他のメンバー2名と共に羽幌の吉里吉里を出発、今回同様網走のアニマの里を目指していた。

 その時も羽幌を出て直ぐの苫前で降り始めた雨が強弱を繰り返しながら絶え間なく降り続いていたのだが、サロマ湖畔に差し掛かると今回同様土砂降りになっていた。雨は坂道を川の様にしてしまう程の降りで、我々はしばしば走るのを妨げられたのだが、今回もそれに近い降りだった。

 対向車からは飛沫を浴びせられ一瞬前が見え無くなる事も度々で、車を走らせるドライバーを羨ましく思ってしまいました。しかし、こんな状況も含めバイクの旅は車より多くの思い出をライダーにもたらしてくれる訳で、大変だった事が財産なのかもしれません。

 雨のサロマ湖畔を過ぎ常呂から能取湖畔に出た私は、いつものパーキングで休憩を兼ねたサンゴ草見物を予定していたのだが、能取湖畔に咲くサンゴ草はまだ色付いていまかった。ここから網走までは20分程で、休憩だけで停まるのは中途半端な場所で、私は休ます網走に向かう事にした。

 それにしても今年はサンゴ草の色付きが遅いようで、この時期何回かこの地を訪れている私だが、全く?色付いていなかったのは今回が初めてでした。


雹 効果



pm4:30過ぎアニマの里到着。

 網走に到着した我々は、国道236号と国道39号が交わる交差点のローソンで買い出した後、博物館網走監獄に向かうように石北本線の踏切を渡り200m位走った先の左側の坂道(小さな看板が出ている)を登ってアニマの里に到着する。

 この坂道は途中まで舗装(凸凹ではあるが一応舗装)されているのだが、100m位走ると舗装が切れ路面の凸凹が酷くなってSS系バイクで上るには結構大変な状況になっていた。

 我々は何とか階段横の花壇の前にバイクを止めたのだが、バイクの音を聞いた旦那がやって来て奥の小屋にバイクを入れるよう勧めてくれる。



小屋の中には収穫した玉ねぎ等が置かれていて
我々はその隙間にバイクを滑り込ませる。(翌朝撮影)


 奥の小屋は私は以前から知っていたが、その小屋にバイクを入れるパターンは今回が初めてだった。折角のお勧めなので我々はバイクを小屋に入れ事にしたのだが、小屋には二台の先客がいて我々はその後ろにバイクを止める。

 今日我々以外にもライダーの泊客がいるようで、どんなライダーさんなのか興味の有るところである。

 雨の降る中で荷物下ろしは何かと大変で屋根が有って助かったのだが、この小屋の床は土のままで我々の濡れたタイヤに乾いた土が大量に付着しタイヤは土だらけになってしまった。

 車体も連日の雨で泥だらけで、私のGSX−Rはまるで雨の林道でもを走って来た様になっており、明日何処かでバイクを洗車してやる必要が有りそうである。

 最近アニマの里ではバイクを小屋の中に入れるようにしているらしいのだが、それには今年の6月北見・網走地域に降った雹が関係しているようだった。旦那の話だと雹で壊れた小屋の屋根の修理代が保険で出る事を知り、以前から雨漏りしていた屋根を保険で修理してバイクを入れるようにしたようなのだ。

 他にも色々雹の被害を受けたらしく、旦那はその保険金を使って来年アニマの里へ上がる坂道を舗装する計画を持っているようで、季節外れの雹は農産物の被害も含め思わぬところに色々影響しているようである。


アニマの里


 我々は荷物を下ろして玄関に向かう。旦那が脱いだ雨具を掛けるハンガーを持って来てくれて、玄関先に雨具を掛けさせてもらった我々は、今日一度も脱ぐ事が無かったブーツから足を抜く。私のブーツにはゴアテックスフィルムが入っていてブーツの中は濡れていない(靴下は少し湿った感じ?)のだが、他の二人はゴアテックス靴下を使用しているのでブーツの中はグジャグジャになっていた。

 旦那から古新聞紙を貰ってブーツの中に詰め込み湿気を取ろうとするのだが、一度濡れたブーツはそう簡単には乾くものではない。一番簡単に速くブーツを乾かす方法は晴れた日ブーツを履いて走る事で、天気が良ければ半日も走れば中まで大体乾きます。

 今回泊まる部屋は、いつものロフト付の部屋で我々は勝手知ったる部屋へ行き、着替えて(10Rは当然しまむらパンツ)お風呂入り、その後談話室に行って夕食までの時間を有意義に過ごす。


アニマの里 夕食
※この後大きなホッケの開きが来ます。


 時間になって我々は食堂に場所を移して美味しい夕食を頂いた後また談話室に戻って有意義な時間を過ごす。

 私は今回秋田の日本酒を1本(720ml)をバックの中に忍ばせて来ていて、それを奥様に冷やしてもらっていた。食事の片付けが一段落した旦那がその日本酒を持って我々の所にやって来る。

 今回持参した日本酒は、店の近所の佐々辰酒店さんの旦那が勧めてくれた天寿(矢島)で、天寿は若い杜氏に変わって今までとは違うからと勧められたのだが、飲んでみると確かに今までの天寿のイメージとは違ったスッキリとした後味の美味しい酒だった。

 秋田の酒蔵では杜氏の世代交代が進んでいるようで、テレビでも若い杜氏が集まって新しい酒にチャレンジしている様子を流していた。秋田にいながら秋田の日本酒事情に疎い私だが、これまでのブランドイメージと違った新しいお酒がどんどん出てきているようで、これから大いに楽しみである。

 我々が始めちゃっているところに、小屋の奥にバイク停めていたライダーさん二人がやって来た。私はそのお二人にも天寿を飲んでもらって感想を聞いてみたのだが、酒好きとお見受けした彼らの天寿に対する評価は 「美味しい!」 と好評でした。


ビジネスモデル

 カワサキ Z1000 オレンジカラー(マフラーが円筒を2つ縦に並べたデザインのバイク)に乗る彼(アラフォー?)は、バイクを事前に千歳のデポまで運んでおいて(運送屋さん)、本人は福岡から新千歳に飛んで来て千歳でバイクを受け取り北海道をツーリングしているのだと言う。

 バイクを先に送っておいて飛行機で飛んで来るパターンは我々が今回も行ったビジネスモデルで、我々のビジネスモデル(我々が最初に行ったの2005年)がパクられている事を知り、こんな事ならビジネスモデル特許を取得しておけば良かったと私は後悔してしまいました?

 以前は福岡からバイクを飛行機で運ぶサービが有ったが現在は廃止になっているそうで、彼は限られた時間の中で北海道をツーリングしたいという思いを今回このサービスで実現したようである。

 もっともその料金はそれなりに掛ってしまう(九州〜北海道往復で7万円弱)ようで、飛行機で来てレンタルで大型バイクを借りた場合(5日間借りると6万円程度?)と比較すると少し高くなってしまうようである。しかし、自分のバイクで走れる安心感や一体感、満足度等を考えると、使えるシステムなのかもしれません。

 因みに我々の10Rのデポ代は、一晩の飲み代となっております。

 人数に対し四合瓶の日本酒では役不足で、天寿は早々に空いてしまった。以前一升瓶をアニマの里に送り着けて飲んだ事があったか、ついつい飲み過ぎて酒が次の日に残ってしまった事があった。日本酒(次の日に残り易い)は四合瓶を皆さんとチビチビ飲む程度が丁度良いようです。


 今回の北海道も明日から後半に入る。天気情報では明日から降水確率がグッと下がって雨の心配はしなくて良さそうだし、裏摩周、開陽台、知床峠、根北峠と北海道らしい道を走る予定でもあり、私は明日を楽しみに眠りに着いたのでした。


by Ryuta

4日目
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